合田直弘 凱旋門賞みどころ

  • マカヒキ

  • ポストポンド

  • ファウンド

  • シルバーウェーヴ

  • ニューベイ

  • ハイランドリール

  • レフトハンド

今年の凱旋門賞における最大の見どころは言うまでもなく、日本の競馬サークルにとって悲願となっているこのレースの優勝を、マカヒキ(牡3、父ディープインパクト)が果たすことが出来るかどうかにある。

春のG1イスパーン賞(芝1800m)でエイシンヒカリ(牡5)が見せた爆発的パフォーマンスを直近の例として、日本馬の能力の高さは既に随所で実証済みだ。
今年の日本における3歳世代はことさらに高水準で層が厚く、その中にあってマカヒキはダービーを制した世代最強馬である。更に、タイキシャトルやエルコンドルパサーの受け入れ先となり、その後もフランスに遠征してきた日本馬をつぶさに見てきたベテラン調教師トニー・クラウトが、「これほど落ち着いている日本馬は初めてだ」と舌を巻いたのがマカヒキである。そして、手綱をとるのはフランス競馬とシャンティイ競馬場を知り尽くした男、クリストフ・ルメールだ。マカヒキが、凱旋門賞という難攻不落の頂に、極めて近い位置にいることは間違いない。

C.ルメール騎手はおそらく、G2ニエル賞で見せたような、残り300m付近まで追い出しを我慢した上、サンデーサイレンス系特有の「切れ味」という、伝家の宝刀を抜く競馬をするはずだ。問題は、そこまでいかにスムーズな競馬をし、どれだけ脚を溜めることが出来るか。勝負どころで矢を放とうとした時、放つ進路が確保されているか。前哨戦よりは遥かに多頭数になり、前哨戦より速いペースが予想される中、C.ルメール騎手が序盤から中盤にかけてどう立ち回るかが、勝負を分ける最大の焦点となりそうである。

回避した有力馬もいるが、依然として出走馬の層は厚く、しかも上位馬の力量は接近している。4つのG1を含めて6連勝中のポストポンド(牡5)、牡馬の一線級と互角に戦う能力を持つファウンド(牝4)、昨年の仏ダービー時のような思い切った競馬をされると不気味なニューベイ(牡4)、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝12F)勝者でありながら、なぜか人気がないハイランドリール(牡4)、直前でクリストフ・スミヨンの騎乗が決まったシルバーウェーヴ(牡4)、54.5キロという斤量が魅力なG1ヴェルメイユ賞(芝2400m)勝ち馬レフトハンド(牝3)など、マークが必要な馬の名を挙げれば切りがないメンバー構成と言えよう。

(合田直弘=文)

凱旋門賞【Qatar Prix de l'Arc de Triomphe】(G1)

10月2日(日) シャンティイ競馬場 2,400m(芝・右) 3歳以上 牡・牝
第4レース 16:05(日本時間 23:05)発走予定
賞金総額:5,000,000ユーロ 1着賞金:2,857,000ユーロ

馬番 ゲート番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手
1 8 ニューベイ 牡4 59.5 A.ファーブル(仏) V.シュミノー
2 7 ポストポンド 牡5 59.5 R.ヴェリアン(英 A.アッゼニ
3 13 ミグワール 牡4 59.5 F.ヘッド(仏) O.ペリエ
4 11 ハイランドリール 牡4 59.5 A.オブライエン(愛) S.ヘファナン
5 9 ワンフットインヘヴン 牡4 59.5 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) C.デムーロ
6 2 ザグレーギャツビー 牡5 59.5 K.ライアン(英) J.ドイル
7 4 シルバーウェーヴ 牡4 59.5 P.バリー(仏) C.スミヨン
8 16 オーダーオブセントジョージ 牡4 59.5 A.オブライエン(愛) L.デットーリ
9 3 シルジャンズサガ 牝6 58 J.ゴーヴァン(仏) P.ブドー
10 12 ファウンド 牝4 58 A.オブライエン(愛) R.ムーア
11 6 ハーザンド 牡3 56 D.ウェルド(愛) P.スマレン
12 1 ヴェデヴァニ 牡3 56 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) A.バデル
13 5 タリスマニック 牡3 56 A.ファーブル(仏) M.バルザローナ
15 10 サヴォワヴィーヴル 牡3 56 J.カルヴァロ(独) F.ティリツキ
16 15 レフトハンド 牝3 54.5 C.ラフォンパリアス(仏) M.ギュイヨン
馬番 ゲート番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手
1 8 ニューベイ 牡4 59.5 A.ファーブル(仏) V.シュミノー
2 7 ポストポンド 牡5 59.5 R.ヴェリアン(英 A.アッゼニ
3 13 ミグワール 牡4 59.5 F.ヘッド(仏) O.ペリエ
4 11 ハイランドリール 牡4 59.5 A.オブライエン(愛) S.ヘファナン
5 9 ワンフットインヘヴン 牡4 59.5 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) C.デムーロ
6 2 ザグレーギャツビー 牡5 59.5 K.ライアン(英) J.ドイル
7 4 シルバーウェーヴ 牡4 59.5 P.バリー(仏) C.スミヨン
8 16 オーダーオブセントジョージ 牡4 59.5 A.オブライエン(愛) L.デットーリ
9 3 シルジャンズサガ 牝6 58 J.ゴーヴァン(仏) P.ブドー
10 12 ファウンド 牝4 58 A.オブライエン(愛) R.ムーア
11 6 ハーザンド 牡3 56 D.ウェルド(愛) P.スマレン
12 1 ヴェデヴァニ 牡3 56 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) A.バデル
13 5 タリスマニック 牡3 56 A.ファーブル(仏) M.バルザローナ
15 10 サヴォワヴィーヴル 牡3 56 J.カルヴァロ(独) F.ティリツキ
16 15 レフトハンド 牝3 54.5 C.ラフォンパリアス(仏) M.ギュイヨン

関係者コメント

友道 康夫 調教師

「14番というゲート番は、頭数も16頭と多くないのであまり気にしてません。折り合いのつく馬なので、好位の4、5番手にいられればいいですが、後ろになっても直線は長いので問題はありません。 明日もリヨン坂路で乗り運動を行う予定です。」

C.ルメール 騎手

「ゲート番は気にしていませんでしたし、どこでも大丈夫です。マカヒキはどこのポジションでもいける馬です。当日 、ニエル賞以上の100%の状態で臨めると思いますし、楽しみです。」

※現地主催者発表の出馬表及び競走成績は、以下のウェブサイトにてご参照いただけます。
http://www.france-galop.com/
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