合田直弘 ニエル賞回顧

9日(金)の最終登録を経て、今年のG2ニエル賞(芝2400m)は、わずか5頭立てとなった。

今季の欧州3歳クラシック路線である程度の実績を挙げていた馬たちが、こぞって回避。その結果、日本から参戦のマカヒキ(牡3、父ディープインパクト)がオッズ1.4倍のという被った1番人気となった。以下、ここが重賞初挑戦ながら、ナンテのデルビーデルウェスト(芝2400m)、ヴィシーのフレデリックドラグランジュ賞(芝2400m)と、準重賞を連勝していた上がり馬のドーハドリーム(牡3、父シャマーダル)が5.3倍の2番人気。前走クラレフォンテンのクラレフォンテン大賞(芝2400m)を制しての参戦だったダラバド(牡3、父ダンシリ)が7倍の3番人気。サンダウンのG3クラシックトライアルS(芝10F)を制した後、G2ダンテS(芝10F88y)で5着に敗れ、その後故障が発覚して春のクラシックを棒に振ったミッドターム(牡3、ガリレオ)が9倍の4番人気。リオンダンジェルのリオンダンジェル大賞(芝2000m)3着がここまで最良の実績のカルゾフ(牡3、父ゾファニー)が28倍の5番人気となった。

典型的逃げ馬不在の中、ハナを切ったのはミッドタームで、2番手ドーハドリーム、3番手にマカヒキ、4番手ダラバド、5番手カルゾフの隊列で、レースはスローペースのまま進んだ。

隊列が変わらぬまま直線に向くと、マカヒキは鞍上クリストフ・ルメールが残り300mでようやくゴーサインを出して追撃態勢へ。前を行く2頭を交わして残り100mで先頭に立ったマカヒキが1着でゴール。首差の2着がミッドタームで、更に短頭差遅れたドーハドリームが3着だった。

着差こそわずかだったが、クリストフ・ルメールのムチは2回しか入っておらず、消耗を最小限に抑えつつ、シャンティイの馬場をしっかりと見せ、なおかつ勝利で終わるという、前哨戦としては理想的な競馬をしたと言えそうである。

(合田直弘=文)

ニエル賞【Qatar Prix Niel】(G2)

9月11日(日) シャンティイ競馬場 2,400m(芝・右) 3歳 牡・牝
第3レース 15:00(日本時間 22:00)発走
賞金総額:130,000ユーロ 1着賞金:74,100ユーロ

着順 馬番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手 タイム・着差
1 5 マカヒキ 牡3 58 友道 康夫(日) C.ルメール 2:35.84
2 1 ミッドターム 牡3 58 M.スタウト(英) V.シュミノー  クビ
3 3 ドーハドリーム 牡3 58 A.ファーブル(仏) G.ブノワ  短アタマ
4 2 ダラバド 牡3 58 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) C.スミヨン 10
5 4 カルゾフ 牡3 58 A.クエティル(仏) C.デムーロ 1 1/2
着順 馬番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手 タイム・着差
1 5 マカヒキ 牡3 58 友道 康夫(日) C.ルメール 2:35.84
2 1 ミッドターム 牡3 58 M.スタウト(英) V.シュミノー  クビ
3 3 ドーハドリーム 牡3 58 A.ファーブル(仏) G.ブノワ  短アタマ
4 2 ダラバド 牡3 58 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) C.スミヨン 10
5 4 カルゾフ 牡3 58 A.クエティル(仏) C.デムーロ 1 1/2

関係者コメント

1着 マカヒキ 友道 康夫調教師

「ホッとしています。環境の変化に対応してくれました。フランスの競馬を経験できたので次に生きると思います。今日は競馬の前に馬場を実際に歩いたのですが、日本の馬場に近いと感じましたので、マカヒキなら対応できると思っていました。久々の競馬でしたが、併せ馬でしっかり追って欲しかったので、展開としては良かったです。凱旋門賞は頭数が増えると思いますが、日本の競馬も多頭数で走ることが多いですし、精神力の強い馬なので大丈夫だと思います」

1着 マカヒキ クリストフ・ルメール騎手

「嬉しいです。ここまでの過程が完璧でした。輸送も厩舎スタッフの仕上げも、追い切りも完璧でした。マカヒキはリラックスして走っていて、長く良い脚を使いました。直線でも瞬発力がありました。ニエル賞はステップで、3週間後の凱旋門賞は馬のコンディションがもっと良くなると思います。楽しみです」

※詳細については、以下のホームページもご参照ください。
http://www.france-galop.com/
(※外部サイトに接続されます)