合田直弘 凱旋門賞回顧

残念ながら、今年も日本の競馬界にとっての悲願達成はならなかった。

16頭立ての14番枠から好スタートを切ったマカヒキ(牡3、父ディープインパクト)だったが、11番枠から更に素早いスタートを切ったハイランドリールが外目に進路をとった影響で、内に入れることが出来ず、中団より前の位置取りとなったものの、終始外を通らされることになった。それでも、直線で持ち前の末脚を爆発させることが期待されたが、勝負どころを迎えて伸びず、14着に敗退。真価を全く発揮することなくレースを終えてしまった。幸いにして馬に故障はなかったと伝えられており、来年のリベンジを期待したい。

レースは、ハーザンド陣営が先導役として用意したヴェデヴァニ(牡3、父ドゥバウィ)が逃げ、4つのG1を含めて直前6連勝中だったポストポンド(牡5、父ドゥバウィ)、7月のG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝12F)を含めてG1・3勝の実績を誇るハイランドリール(牡4、父ガリレオ)らが好位を追走。前走のG1愛チャンピオンS(芝10F)を含めてG1で5戦連続2着だったファウンド(牝4、父ガリレオ)、英愛ダービー連覇のハーザンド(牡3、父シーザスターズ)らが中団を追走した。

直線を向いて最も鋭い脚を見せたのがファウンドで、残り2Fを切った辺りで先頭に立つと、最後は1 3/4馬身抜けて快勝。2着がハイランドリールで、3着に昨年の欧州チャンピオンステイヤーのオーダーオブセントジョージ(牡4、父ガリレオ)が入り、エイダン・オブライエン厩舎が1~3着を独占。更に、ガリレオ産駒による1~3着独占となった。

勝ったファウンドにとっては、2歳時のG1マルセルブーサック賞(芝1600m)、3歳時のG1ブリーダーズCターフに続く3度目のG1制覇となった。ここまでG1の2着が9回もあり、勝ち味に遅い面がある一方、2歳時も3歳時もG1制覇はシーズン終盤で、使われ続けてもへこたれず、秋を迎えてピークを迎える体質を持つ馬のようである。

(合田直弘=文)

凱旋門賞【Qatar Prix de l'Arc de Triomphe】(G1)

10月2日(日) シャンティイ競馬場 2,400m(芝・右) 3歳以上 牡・牝
第4レース 16:05(日本時間 23:05)発走予定
賞金総額:5,000,000ユーロ 1着賞金:2,857,000ユーロ

着順 馬番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手 タイム・着差
1 10 ファウンド 牝4 58 A.オブライエン(愛) R.ムーア 2:23.61
2 4 ハイランドリール 牡4 59.5 A.オブライエン(愛) S.ヘファナン 1 3/4
3 8 オーダーオブセントジョージ 牡4 59.5 A.オブライエン(愛) L.デットーリ 1 1/2
4 9 シルジャンズサガ 牝6 58 J.ゴーヴァン(仏) P.ブドー 3/4
5 2 ポストポンド 牡5 59.5 R.ヴェリアン(英) A.アッゼニ 2 1/2
6 5 ワンフットインヘヴン 牡4 59.5 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) C.デムーロ ハナ
7 1 ニューベイ 牡4 59.5 A.ファーブル(仏) V.シュミノー 短クビ
8 15 サヴォワヴィーヴル 牡3 56 J.カルヴァロ(独) F.ティリツキ 1 1/2
9 11 ハーザンド 牡3 56 D.ウェルド(愛) P.スマレン 1 3/4
10 12 ヴェデヴァニ 牡3 56 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) A.バデル
11 13 タリスマニック 牡3 56 A.ファーブル(仏) M.バルザローナ
12 16 レフトハンド 牝3 54.5 C.ラフォンパリアス(仏) M.ギュイヨン
13 7 シルバーウェーヴ 牡4 59.5 P.バリー(仏) C.スミヨン 3/4
14 14 マカヒキ 牡3 56 友道 康夫(日) C.ルメール
15 3 ミグワール 牡4 59.5 F.ヘッド(仏) O.ペリエ 1 1/4
16 6 ザグレーギャツビー 牡5 59.5 K.ライアン(英) J.ドイル 1 1/4
着順 馬名 騎手 タイム・着差
1 ファウンド R.ムーア 2:23.61
2 ハイランドリール S.ヘファナン 1 3/4
3 オーダーオブセントジョージ L.デットーリ 1 1/2
4 シルジャンズサガ P.ブドー 3/4
5 ポストポンド A.アッゼニ 2 1/2
6 ワンフットインヘヴン C.デムーロ ハナ
7 ニューベイ V.シュミノー 短クビ
8 サヴォワヴィーヴル F.ティリツキ 1 1/2
9 ハーザンド P.スマレン 1 3/4
10 ヴェデヴァニ A.バデル
11 タリスマニック M.バルザローナ
12 レフトハンド M.ギュイヨン
13 シルバーウェーヴ C.スミヨン 3/4
14 マカヒキ C.ルメール
15 ミグワール O.ペリエ 1 1/4
16 ザグレーギャツビー J.ドイル 1 1/4

関係者コメント

友道 康夫 調教師

「たくさんの方に応援していただいたのに申し訳ないと思います。前走よりも今回の方が雰囲気も良かったです。外枠でいい位置を取りに行ったのが敗因かもしれませんが、それだけではないと思います。馬を確認しましたが大丈夫で、息も入っていました。あと一つ考えられるとしたら、中2週が初めてだったので、それが影響したのかもしれません。今後についてはオーナーと相談になりますが、まずは無事に日本に帰ることです。」

C.ルメール 騎手

「残念です。彼は普段リラックスして乗りやすい馬ですけど、ちょっと引っかかりました。スタートは良かったのですが、すぐにオーバーペースになってしまい、最後は疲れてしまいました。こういう結果でしたが、彼をリスペクトしています。次に期待したいと思います。」

※詳細については、以下のホームページもご参照ください。
http://www.france-galop.com/
(※外部サイトに接続されます)