合田直弘のドバイワールドカップデー展望

9R 第22回ドバイワールドカップ(G1)展望

  • アロゲート
    B.バファート厩舎(米)

  • アウォーディー
    松永幹夫厩舎(日)

  • アポロケンタッキー
    山内研二厩舎(日)

日本勢が大挙4頭出しで臨むこのレース。アウォーディー(牡7)、アポロケンタッキー(牡5)、ゴールドドリーム(牡4)は、いずれもここ最近のGⅠ勝ち馬で、残るラニは昨年ドバイでG2UAEダービーを制しコース適性を実証済みとあって、おおいに期待をしたいところだが、その前に立ちはだかるのが、日本を上回る5頭出しで臨むアメリカ勢である。

中でも“怪物級”なのが、2016年のワールドベストホースに選出されたアロゲート(牡4)だ。同馬はレイティング134を保持するが、このレースの出走馬でこれに次ぐのは118を持つアウォーディーとガンランナーで、この間には実に16ポンドもの開きがある。机上の計算ではアロゲートが後続に9馬身以上の差をつけることになり、逆転するにはあまりにも大きな差と言えそうだ。

昨年のこのレースの2着馬ムブタヒージ(牡5)、3着馬ホッパーチュニティ(牡6)、4着馬スペシャルファイター(牡6)の3頭に、昨年11月のG1クラークHを含めて重賞5勝という北米調教馬ガンランナー(牡4)を加えた4頭が、2番手グループを形成している。

欧州ブックメーカーのオッズを見ると、日本勢の人気は低い。だが、前述したように、出走14頭中で2番目のレイティングを保持するのはアウォーディーで、人気ほど力の開きはないと見るべきだろう。単騎になるとソラを使う癖のある同馬だが、これだけの強豪に囲まれて最後まで力を抜かずに走り切ることが出来れば、アロゲートには勝てなくても、2着争いを制する場面があっておかしくはないはずである。

(合田直弘=文)

ドバイワールドカップ(G1)

3月25日(土曜) メイダン競馬場 2,000m(ダート)
第9レース 現地時間 20:45(日本時間 3月26日(日曜)1:45)発走予定

※表は横にスクロールすることができます。

馬番 ゲート番 馬名 重量 調教師 騎手
2 2 ロングリバー 7 57kg S.ビン・ガデイヤー(首) M.バルザローナ
5 5 ガンランナー 4 57kg S.アスムッセン(米) F.ジェルー
6 6 ムーヴアップ 4 57kg S.ビン・スルール(首) A.デフリース
8 8 フリアクルサーダ 5 55kg E.シャルピー(首) A.フレス
9 9 アロゲート 4 57kg B.バファート(米) M.スミス
10 10 キーンアイス 5 57kg T.プレッチャー(米) J.カステリャーノ
11 11 ネオリシック 4 57kg T.プレッチャー(米) J.ヴェラスケス
12 12 ホッパーチュニティ 6 57kg B.バファート(米) F.プラ
13 13 スペシャルファイター 6 57kg M.リッチー(首) F.ハラ
14 14 ムブタヒージ 5 57kg M.デコック(南ア) C.スミヨン

※馬齢は主催者発表を記載。
エミレーツレーシングオーソリティの加齢基準日は南半球産馬が7月1日、北半球産馬が1月1日です。

8R 第20回ドバイシーマクラシック(G1)展望

  • サウンズオブアース
    藤岡健一厩舎(日)

  • ハイランドリール
    A.オブライエン厩舎(愛)

  • ポストポンド
    R.ヴェリアン厩舎(英)

7頭という少頭数となったが、この路線のレベルが高いヨーロッパからタイトルホルダーが4頭参戦し、水準の高い顔触れとなっている。日本からこのレースに挑むサウンズオズアース(牡6)にとっても、倒さなければならない敵は、その欧州勢となる。

筆頭は、昨年に続くこのレース連覇を狙うポストポンド(牡6)だ。レイティング的にも出走馬の中で最高の124を保持している同馬は、前哨戦のG2ドバイシティーオブゴールドで2着に敗れたが、直線で進路が狭くなったことが敗因で、力負けではなかった。少頭数のここは紛れが生じにくいことから、首位争いに加わること必至と見る。

世界3か国で4つのG1を制している他、昨秋のG1凱旋門賞で2着となっているハイランンドリール(牡5)も、相当の実力の持ち主。

4歳時の昨年は故障でシーズンのほとんどを棒に振ったものの、G1愛ダービーを制しG1英ダービーで2着となった3歳時の出来を取り戻していれば、当然のことながら争覇圏に入ってくるのがジャックホブス(牡5)だ。

G1凱旋門賞勝ち馬ファウンドを破ってG1ヨークシャーオークスを制している他、G1愛オークスも勝っているセブンスヘブン(牝4)もマークが必要な1頭である。

相手は強いが、しかし、日本におけるこの路線の水準も相当に高い。昨年暮れのG1香港ヴァーズでハイランドリールを差し切ったサトノクラウンを物差しにすれば、昨年秋のG1ジャパンCで2着となっているサウンズオズアースが、このメンバーをまとめて差し切っても、なんら不思議ではないと見る。

(合田直弘=文)

ドバイシーマクラシック(G1)

3月25日(土曜) メイダン競馬場 2,410m(芝)
第8レース 現地時間 20:05(日本時間 3月26日(日曜)1:05)発走予定

※表は横にスクロールすることができます。

馬番 ゲート番 馬名 重量 調教師 騎手
1 1 アーンショー 6 57kg S.ビン・ガデイヤー(首) M.バルザローナ
2 2 ジャックホブス 5 57kg J.ゴスデン(英) W.ビュイック
3 3 ハイランドリール 5 57kg A.オブライエン(愛) R.ムーア
5 5 プライズマネー せん 4 56.5kg S.ビン・スルール(首) A.デフリース
6 6 セブンスヘブン 4 54.5kg A.オブライエン(愛) S.ヘファナン
7 7 ポストポンド 6 57kg R.ヴェリアン(英) A.アッゼニ

※馬齢は主催者発表を記載。
エミレーツレーシングオーソリティの加齢基準日は南半球産馬が7月1日、北半球産馬が1月1日です。

7R 第22回ドバイターフ(G1)展望

  • ヴィブロス
    友道康夫厩舎(日)

  • リブチェスター
    R.フェイヒー厩舎(英)

  • モンディアリスト
    D. オメーラ厩舎(英)

リアルスティールによる昨年に続く連覇がなるかどうかが、ドバイターフの大きな焦点だっただけに、同馬の出走取りやめは非常に残念だ。次なる大きな目標へ向けて、改めての挑戦を期待したい。

芝のレースゆえ、ヨーロッパから複数の強豪がエントリーしている。

昨年8月のG1ジャックルマロワ賞勝ち馬で、その後G1クイーンエリザベス2世Sで16年の欧州年度代表馬マインディングの2着になった際に、今年のドバイターフ出走馬では最高値となるレイティング122を得たのがリブチェスター(牡4)だ。今季の同馬は2000m路線への転身を視野に入れているが、マイルを超える距離を走るのはここが初めてとなる。

昨年8月のG1アーリントンミリオン勝ち馬モンディアリスト(牡7)、昨年7月のG1ベルモントダービー勝ち馬ドーヴィル(牡4)、スローペースとなった前哨戦のG1ジェベルハッタを後方から差し切ったデコレーテッドナイト(牡5)など、G1勝ちの実績を持つ馬たちがずらりと並ぶ。

更にタイトルホルダーではないものの、G1仏ダービー2着馬で、今季初戦のG3ドバイミレニアムSを快勝したザラック(牡4)、昨年のG1英インターナショナルS3着、G1ウッドバインマイル3着と強豪相手に善戦を続けたムタケイエフ(せん6)などもおり、実に層の厚いメンバー構成となっている。

しかし、日本から単騎参戦となったヴィブロス(牝4)も、GI秋華賞を勝っているタイトルホルダーだ。おそらくはハイペースが予想されるだけに、鞍上の名手モレイラのサポートを得て、ディープインパクト産駒らしい切れ味を発揮して世界を驚かせてほしいものである。

(合田直弘=文)

ドバイターフ(G1)

3月25日(土曜) メイダン競馬場 1,800m(芝)
第7レース 現地時間 19:30(日本時間 3月26日(日曜)0:30)発走予定

※表は横にスクロールすることができます。

馬番 ゲート番 馬名 重量 調教師 騎手
1 1 リブチェスター 4 57kg R.フェイヒー(英) W.ビュイック
2 2 ザラック 4 57kg A.ドゥロワイエデュプレ(仏) C.スミヨン
3 3 エシェム 4 57kg C.フェルラン(仏) G.ブノワ
4 4 デコレーテッドナイト 5 57kg R.チャールトン(英) A.アッゼニ
5 5 オパールティアラ 4 55kg M.シャノン(英) O.マーフィー
6 6 ムタケイエフ せん 6 57kg W.ハガス(英) J.クローリー
7 7 モンディアリスト 7 57kg D. オメーラ (英) D.タドホープ
8 8 ベリースペシャル 5 55kg S.ビン・スルール(首) S.デソウサ
10 10 デットコレクター せん 4 57kg C.ブラウン(星) M.ロッド
11 11 クーガーマウンテン 6 57kg A.オブライエン(愛) D.オブライエン
12 12 ドーヴィル 4 57kg A.オブライエン(愛) R.ムーア
13 13 ロングアイランドサウンド 4 57kg A.オブライエン(愛) S.ヘファナン

※馬齢は主催者発表を記載。
エミレーツレーシングオーソリティの加齢基準日は南半球産馬が7月1日、北半球産馬が1月1日です。