未来に語り継ぎたい名馬

20代以下はトップ10の高評価

●強さはもちろん、栗毛のきれいな馬体が大好きでした。最強馬の話になると脇に置かれがちですが、僕の中では彼がナンバーワン(30代・男性)
●世紀末覇王という二つ名に恥じない年間無敗の活躍に心躍りました(20代・男性)
●馬場・展開・距離を問わず勝つ凄さ。凛々しい姿も好きでした(40代・女性)
●競馬を始めた世紀末に連勝する姿を見て、強い馬は何があろうと負けないのだと知りました(30代・男性)

永遠に続くかのように思われた、 00年の年間無敗こそがこの馬の核心

　強かった、と思い出される馬はたくさんいる。でも、ため息とともに「長かった」という言葉が漏れる馬はそういない。
　 20世紀最後の年。テイエムオペラオーの「統治」はきっかり丸１年間のことだった。でも当時、それは本当に、永遠に続くものであるかのように思われたのだ。
　 その年、走っても走っても、テイエムオペラオーは負けなかった。京都、阪神、東京、中山。年明け初戦も、大一番の前哨戦も、秋の始動戦も。盾でも、グランプリでも、「世界」が相手でも。良馬場でも重馬場でも。仕掛けが遅れて大外を回らされようとも。そして直線で進路が塞がり、絶望的な状況に陥ろうとも。
　 00年、テイエムオペラオーはGI ５勝を含む８戦全勝という途方もない成績を残した。芝の古馬中長距離GI を５つすべて制した馬など、後にも先にも皆無だ。しかもそれを、１年で成してしまった。
　 そしてそんなふうにGI (級)競走をいくつも勝ちつつ、その年を無敗で終えた馬も、テイエムオペラオーが初めてだった。シンボリルドルフもナリタブライアンも、タイキシャトルもディープインパクトも、それだけはできなかったのだ。
　 ライバルたちと鎬を削り、多くの名勝負を繰り広げた99年も、熱い１年だった。
　 01年はずっと２着に降してきたメイショウドトウについに逆転を許し、以降も歳下の馬たちに敗れた。しかし最後まで王者らしく胸を貸し続けたその姿は、これもまた「君臨」の一つの形だと思えた。
　 通算GI ７勝は、交流重賞を除けば史上最多タイ。18億円以上の収得賞金額は、今なお世界歴代１位の偉大な記録となる。
　 それでもやはり00年こそが。その年の「年間無敗」こそが、たぶんテイエムオペラオーという馬の核心なのだ。
（文＝軍土門隼夫）

映像	日付	開催	R	レース名	距離	芝・ダート	馬場状態	頭数	馬番	人気	着順	タイム	騎手	上り3F	1(2)着馬
	1998. 8.15	京都	6	新馬	1600	芝	良	12	8	1	2	1.36.7	和田竜二	36.9	クラシックステージ
	1999. 1.16	京都	2	未勝利	1400	ダート	良	16	12	2	4	1.28.0	和田竜二	37.2	ゼンノホーインボー
	1999. 2. 6	京都	1	未勝利	1800	ダート	良	10	2	1	1	1.55.6	和田竜二	38.3	(ヒミノコマンダー)
	1999. 2.27	阪神	9	ゆきやなぎ賞	2000	芝	稍	14	13	2	1	2.05.3	和田竜二	36.6	(アンクルスルー)
	1999. 3.28	阪神	11	毎日杯	2000	芝	良	14	1	3	1	2.04.1	和田竜二	36.7	(タガノブライアン)
	1999. 4.18	中山	11	皐月賞	2000	芝	良	18	12	5	1	2.00.7	和田竜二	35.2	(オースミブライト)
	1999. 6. 6	東京	9	日本ダービー	2400	芝	良	18	14	3	3	2.25.6	和田竜二	35.3	アドマイヤベガ
	1999.10.10	京都	11	京都大賞典	2400	芝	良	10	10	3	3	2.24.4	和田竜二	34.3	ツルマルツヨシ
	1999.11. 7	京都	11	菊花賞	3000	芝	良	15	4	2	2	3.07.7	和田竜二	33.8	ナリタトップロード
	1999.12. 4	中山	11	ステイヤーズＳ	3600	芝	良	14	10	1	2	3.46.2	和田竜二	35.8	ペインテドブラック
	1999.12.26	中山	9	有馬記念	2500	芝	良	15	11	5	3	2.37.2	和田竜二	34.9	グラスワンダー
	2000. 2.20	京都	11	京都記念	2200	芝	良	11	8	1	1	2.13.8	和田竜二	34.4	(ナリタトップロード)
	2000. 3.19	阪神	11	阪神大賞典	3000	芝	稍	9	1	1	1	3.09.4	和田竜二	35.3	(ラスカルスズカ)
	2000. 4.30	京都	11	天皇賞（春）	3200	芝	良	12	5	1	1	3.17.6	和田竜二	34.4	(ラスカルスズカ)
	2000. 6.25	阪神	11	宝塚記念	2200	芝	良	11	1	1	1	2.13.8	和田竜二	35.7	(メイショウドトウ)
	2000.10. 8	京都	11	京都大賞典	2400	芝	良	12	1	1	1	2.26.0	和田竜二	33.3	(ナリタトップロード)
	2000.10.29	東京	11	天皇賞（秋）	2000	芝	重	16	13	1	1	1.59.9	和田竜二	35.3	(メイショウドトウ)
	2000.11.26	東京	10	ジャパンカップ	2400	芝	良	16	8	1	1	2.26.1	和田竜二	35.2	(メイショウドトウ)
	2000.12.24	中山	9	有馬記念	2500	芝	良	16	7	1	1	2.34.1	和田竜二	36.4	(メイショウドトウ)
	2001. 4. 1	阪神	11	産経大阪杯	2000	芝	良	14	14	1	4	1.58.7	和田竜二	35.6	トーホウドリーム
	2001. 4.29	京都	11	天皇賞（春）	3200	芝	良	12	1	1	1	3.16.2	和田竜二	35.5	(メイショウドトウ)
	2001. 6.24	阪神	11	宝塚記念	2200	芝	良	12	4	1	2	2.11.9	和田竜二	35.0	メイショウドトウ
	2001.10. 7	京都	11	京都大賞典	2400	芝	良	7	5	1	1	2.25.0	和田竜二	34.1	(スエヒロコマンダー)
	2001.10.28	東京	11	天皇賞（秋）	2000	芝	重	13	6	1	2	2.02.2	和田竜二	35.8	アグネスデジタル
	2001.11.25	東京	10	ジャパンカップ	2400	芝	良	15	4	1	2	2.23.8	和田竜二	35.1	ジャングルポケット
	2001.12.23	中山	9	有馬記念	2500	芝	良	13	12	1	5	2.33.3	和田竜二	34.3	マンハッタンカフェ