合田直弘の香港カップ展望

　英国のブックメーカーが売る単勝馬券のオッズを見ると、１０倍以下に５～６頭がひしめきあう大混戦模様となっている。

　スタートから最初のコーナーまで２００ｍ足らずしかなく、枠順が勝負の行方を左右すると言われている中、前哨戦のＧ２ジョッキークラブカップ（芝２０００ｍ）を制して８度目の重賞制覇を果たしたミリタリーアタック（せん７）が１番枠、４月のＧ１クイーンエリザベス２世Ｃ（芝２０００ｍ）勝ち馬ブレイジングスピード（せん６）が２番枠を引き当て、まずはレースの組み立てという面で優位に立っている。

　そして３番枠を引き当てたのが、日本から参戦のヌーヴォレコルト（牝４）である。名手ライアン・ムーアが手綱をとる上に、１０日の追い切りで抜群の動きを披露し、ここへ来て急激に評価が高まっている。

　４月のＧ１クイーンエリザベス２世Ｃ（芝２０００ｍ）の２着馬で、前走のＧ１天皇賞・秋でも２着に好走したステファノス（牡４）は、１１番という外寄りの枠となった。先に行く馬ではないが、外を回される競馬は避けたいところで、９日のハッピーバレーで行われたインターショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップで海外初勝利を挙げた戸崎騎手による、隙のない手綱さばきを期待したい。

　すんなりと先行するのが理想だったエイシンヒカリ（牡４）も、１２番という外枠からの発走となった。天皇賞・秋では控えて結果が出なかったこの馬を、天才・武豊騎手がこの枠順からどのように導くのか、おおいに興味をそそられるところである。

（合田直弘＝文）