合田直弘の香港マイル回顧

2015/12/14

 レース当日朝に右前脚に軽い跛行が見られた後、正午の再検査で出走にゴーサインが出るというアクシデントがあったものの、昨年のこのレースを含めて国際G1・4勝の実績を誇るエイブルフレンド(せん6)が1.7倍の1番人気。G1安田記念、G1マイルCSという2つのメジャータイトルを含めて今季ここまで5戦5勝のモーリス(牡4)が4.1倍の2番人気に推された。

 モーリスは中団7番手を追走し、G1ジャックルマロワ賞を含めてマイルG1・3勝の仏国調教馬エゾテリック(牝5)を挟んで、エイブルフレンドが9番手を追走する展開に。

 直線に向くと、エイブルフレンドが大外に進路をとって追撃を開始し、その内に潜り込んだのがモーリス。最内を通ったのがG2ジョッキークラブマイル勝ち馬ビューティーフレームで、内から2頭目をG2ジョッキークラブマイル4着馬ジャイアントトレジャー(せん4)が追い込み、残り150mではこの4頭がほぼ横一線に。そこから最も良い脚を繰り出したのがモーリスで、最後は同馬が3/4馬身抜けて優勝。ゴール前、実況アナウンサーが“Star is born(=スター誕生)”とコールしたように、日本のチャンピオンマイラーが「世界のモーリス」に飛躍した瞬間だった。ジャイアントトレジャーが2着に入り、エイブルフレンドは前走G2ジョッキークラブマイル同様に3着に敗退。更に1馬身遅れた4着がエゾテリックだった。

 なお、ダッシュが付かず12番手での競馬となったダノンプラチナ(牡3)は、直線で良く追い込んだものの7着まで。フィエロ(牡6)は9着に終わっている。

ロンジン香港マイル(G1)

12月13日(日) シャティン競馬場  1,600m(芝) 3歳以上
第7レース 15:50(日本時間 16:50)発走

着順 馬番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手 タイム・着差
2 10 ジャイアントトレジャー せん4 126 R.ギブソン C.スミヨン 3/4
3 1 エイブルフレンド せん6 126 J.ムーア J.モレイラ 1
4 14 エゾテリック 牝5 122 A.ファーブル(仏) P.ブド
5 7 コンテントメント せん5 126 J.サイズ N.ローウィラー 2 3/4
6 3 ビューティーフレーム せん5 126 A.クルーズ G.モッセ 2 3/4
8 8 リワーディングヒーロー せん6 126 J.ムーア H.ボウマン 31/4
10 11 ロマンチックタッチ せん5 126 A.クルーズ N.カラン 4 3/4
11 5 トゥールモア 牡4 126 R.ハノン(英) J.ドイル 6 1/2
12 4 モンディアリスト 牡5 126 D.オメーラ(英) D.タドホープ 8 3/4
13 12 シークレットシャム せん6 126 J.ムーア D.オリヴァー 11
14 9 レッドドバウィ 牡7 126 E.メーダー(独) A.スボリッチ 13 1/2
着順 馬名 騎手 タイム・着差
2 ジャイアントトレジャー C.スミヨン 3/4
3 エイブルフレンド J.モレイラ 1
4 エゾテリック P.ブド
5 コンテントメント N.ローウィラー 2 3/4
6 ビューティーフレーム G.モッセ 2 3/4
8 リワーディングヒーロー H.ボウマン 31/4
10 ロマンチックタッチ N.カラン 4 3/4
11 トゥールモア J.ドイル 6 1/2
12 モンディアリスト D.タドホープ 8 3/4
13 シークレットシャム D.オリヴァー 11
14 レッドドバウィ A.スボリッチ 13 1/2

※ 着差は1着馬からのものです。
※ 馬齢は主催者発表のものを記載しております。
※ 126lbs=約57kg、125lbs=約56.5kg、122lbs=約55.5kg

関係者コメント

1着 モーリス(堀 宣行調教師)

「良い状態で馬を送り出すことができました。海外遠征の時はいつも金曜追いで、今回も予定通りのスケジュールをこなすことができました。頑張ってくれた馬と騎手に感謝したいと思います。」

1着 モーリス(R.ムーア騎手)

「マイルチャンピオンシップ(GI)からレース間隔が短いにも関わらずこのような結果を出すことが出来たので、トップクラスのマイラーの仲間入りを果たしたと思います。ラスト1ハロンはとても良い脚を見せてくれたと思います。」

7着 ダノンプラチナ(国枝 栄調教師)

「ゲートの中で馬が少しうるさかったです。スタートは後ろ目になってしまって、馬群の中に入ってしまい、外に出せず全体的に窮屈な競馬になってしまいました。」

7着 ダノンプラチナ(蛯名 正義騎手)

「馬が立ち上がって、思ったよりもスッとゲートを出ていかなかったです。向正面も馬に寄られてしまって、なかなかスペースもなく、厳しい位置取りだったと思います。最後の直線では、この馬の力を見せてくれたと思います。まだ3歳なので、これからどんどん良くなっていくと思いますし、今後が楽しみです。」

9着 フィエロ(藤原 英昭調教師)

「うまく立ち回ってくれましたが、最後に詰まってしまい進路が開かなくてもったいないレースでした。残念です。これが国際レースなのかなという感じです。馬と騎手は頑張ってくれました。」

9着 フィエロ(M.デムーロ騎手)

「スタートが前回程良くありませんでしたが、ポジションはいい位置を取れたと思います。ちょっと窮屈になっていましたが、スペースを見つけたときには余力が残っていませんでした。」

香港マイルのリポート映像