合田直弘の香港情報Vol.3

2015/12/10

 

香港で、布や革で出来ている手綱の使用が禁じられたのが2012年のことだった。手綱が切れる事故が複数回起きたことがきっかけで、以降は調教でも実戦でも、PVCと呼ばれる耐久性の高い塩化ビニールを素材とする手綱の使用が義務付けられることになった。
 ところが、日本ではほとんど普及していないのがPVC手綱で、栗東周辺には扱っている馬具店がなく、日本で調達できるのは美浦近辺にある1軒の馬具店のみ。持ち合わせがない陣営には主催者側が貸与してくれるのだが、やはり自前の馬具でないと使い勝手が悪いということで、美浦の関係者が栗東所属馬の分までPVC手綱を仕入れて現地に向かうのが、近年の香港遠征の恒例となっている。