合田直弘 ニエル賞みどころ

2016/09/08

 第一次登録の段階では27頭いた登録馬が、現地時間7日の11時30分に設けられていた登録ステージで、10頭まで絞り込まれた。

 この段階で、春に英愛ダービー連覇を果たして実績的に最上位だったハーザンド(牡3)が、前日に愛国のレパーズタウンで行われるG1愛チャンピオンS(芝10F)に廻ることが確定。更に、G1英ダービー2着馬ユーエスアーミーレンジャー(牡3)、同3着のアイダホ(牡3)、同4着のウィングスオブデザイア(牡3)、G1愛ダービー3着のステラーマス(牡3)、同4着のレッドヴァードン(牡3)、G1独ダービー2着のサヴォワールヴィヴレ(牡3)といった、各国のクラシック上位馬たちもまたこぞって回避が確定したため、日本から参戦のマカヒキ(牡3)にとって組み合わせ的には楽なものとなった。

 クラシック上位組の中で唯一登録が残っているのが、G1仏ダービー2着馬ザラク(牡3)だが、同馬も依然として、同日に同競馬場で行われるG1ムーランドロンシャン賞(芝1600m)の登録も残している。陣営は当初から、目標はムーランドロンシャン賞と言っていたのだが、あるいは、ニエル賞が手薄になりそうなのを見て、こちらに矛先を切り替えた可能性はありそうだ。

 ザラクとは、08年にG1凱旋門賞を含めて5戦5勝の成績を残し、欧州年度代表馬となったザルカヴァの4番仔で、母の子としては初めて母を彷彿とさせる走りを見せている馬である。ここで良い競馬をすれば、本番の凱旋門賞でも有望となる馬だけに、この馬がここに出走してきた場合にはおおいに注視する必要がありそうだ。

 英国から遠征してくるミッドターム(牡3)もまた、G1・6勝馬ミッデイの初仔という超良血馬である。今年4月、デビューから無敗でサンダウンのG3クラシックトライアルSを制した段階で、英ダービーへ向けた前売り1番人気に支持されたが、その後、故障を発症して春のクラシックを棒に振った馬である。ここで戦線復帰を果たす同馬のレース振りにも、ぜひ注目したいと思っている。

(合田直弘=文)