2016/09/21
8月17日に英国のヨークで行われたG1英インターナショナルS(芝10F88y)から、中45日というローテーションで臨むことになるのがポストポンド(牡5)だ。10F路線の一戦ながら、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝12F)の昨年の勝ち馬ポストポンドと今年の勝ち馬ハイランドリール(牡4)の顔合わせが話題となった中、勝利を収めたのはポストポンドだった。前走が英インターナショナルSという凱旋門賞馬が誕生すれば、01年の凱旋門賞馬サーキー以来15年ぶりとなる。
8月23日に仏国のドーヴィルで行われたG2ノネット賞(芝2000m)が、本番前の最後の試走となったのが、今季の仏国3歳2冠牝馬ラクレソニエール(牝3)だ。G1サンタラリ賞勝ち馬ジェマイエルに2馬身差をつける完勝で、デビューから継続している無敗の連勝を8に伸ばした同馬。ノネット賞から凱旋門賞というのは、ラクレソニエールと同厩で、14年に6戦無敗で凱旋門賞に挑んだアヴニールセルタンと同じローテーションだ。アヴニールセルタンは本番で大敗したが、果たしてその雪辱を果たすことが出来るか。
前哨戦の中で最も好メンバーが揃ったのが、9月10日に愛国のレパーズタウンで行われたG1愛チャンピオンS(芝10F)だった。出走12頭8頭がG1勝ち馬というハイレベルな争いを制したのは、今年のG1仏ダービー勝ち馬アルマンゾル(牡3)。3歳牡馬による凱旋門賞制覇は過去10年で4回あるが、このうち09年のシーザスターズと15年のゴールデンホ-ンは前走が愛チャンピオンSで、本番との相性は悪くない。一方、過去10年の凱旋門賞で3着までに入った31頭(08年は3着が2頭同着)のうち、前走が6着以下だった馬は1頭もおらず、ここで7着に敗れたハイランドリールや、8着に敗れた英愛ダービー連覇のハーザンド(牡3)らには、厳しいデータが残っている。
9月11日にシャンティイで行われた牝馬限定G1ヴェルメイユ賞(芝2400m)は、過去10年の凱旋門賞馬のうち4頭が前走はここを使われていたという、本番との結びつきが最も強い前哨戦だ。今年の勝ち馬はG1仏オークス2着馬レフトハンド(牝3)で、出走してくれば要マークだ。
同日・同競馬場で行われた古馬のG2フォワ賞(芝2400m)を制したのは、仏国におけるこの路線の前半戦の総決算G1サンクルー大賞の勝ち馬シルバーウェーヴ(牡4)だった。前走がフォワ賞という凱旋門賞馬は92年のスボーティカ以降出ていないが、一方で、過去10年の凱旋門賞2着馬のうち実に5頭が前走はフォワ賞を使われており、馬券的には無視できないというデータが残っている。
そして、同日・同競馬場で行われた3歳のG2ニエル賞(芝2400m)を制したマカヒキ(牡3)。前走がニエル賞だった馬が本番も勝てば、06年のレイルリンク以来10年ぶりのことになる。
(合田直弘=文)