合田直弘のドバイワールドカップデー展望

2016/3/25

ドバイワールドカップ(G1)展望

カリフォルニアクローム

ガンピット

ホッコータルマエ

 前走川崎記念で健在ぶりを示したホッコータルマエ(牡7)が、3年連続の参戦となる。ドバイという特殊な気候と風土を持つ異空間での戦いだけに、経験値の高さは大きな武器となるが、一方で、今年の出走メンバーはおそらく、メイダン開設以降では最高水準と思われ、タフな戦いが予想される。

 中心となるのは、北米ダート界の強豪カリフォルニアクロ-ム(牡5)だ。ご存知のように、一昨年の3歳2冠馬にしてアメリカ年度代表馬で、昨年のこのレースの2着馬である。その後、ドバイから直接向かったイギリスで調教中に蹄を負傷。イギリスではレースを走ることなく、シーズン末まで休養を余儀なくされたが、 今年に入って復帰を果たすと、地元カリフォルニアのG2サンパスカルS、メイダンで2月25日に行われたハンデ戦を連勝。5歳を迎えていよいよ競走馬として完成した感を抱かせる、力感あふれるレース振りを披露している。

 2番手評価も北米調教馬のフロステッド(牡4)だ。G1ウッドメモリアルSを制した他、G1ベルモントS2着、G1トラヴァーズS3着などの実績を残し、昨年の3歳世代にあってトップグループの一角を占めた馬である。カリフォルニアクローム同様に早めにドバイ入りし、2月4日のG2アルマクトゥームチャレンジ・ラウンド2を快勝。順調な調整ぶりと、メイダンの馬場に対する適性を誇示している。

 この他、G1ドンH勝ち馬ムシャウィッシュ(牡6)、G1クラークH勝ち馬で堅実味が売りのホッパーチュニティ(牡5)、前哨戦のG1アルマクトゥームチャレンジ・ラウンド3勝ち馬スペシャルファイター(牡5)など、骨っぽい相手が多い、

 ホッコータルマエにとっての光明は、昨年12月のGⅠチャンピオンズCで最下位に敗れた香港調教馬ガンピット(せん6)が、G1アルマクトゥームチャレンジ・ラウンド3で2着に好走している事実だ。砂質の違いを無視して強引な三段論法を持ち込めば、チャンピンズCでガンピットに4.8秒先着しているホッコータルマエに、勝機が巡ってきてもおかしくはない。

(合田直弘=文)

ドバイワールドカップ(G1)

3月26日(土) メイダン競馬場 2,000m(ダート) 北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上
第9レース 21:00(日本時間 26:00)発走予定
賞金総額 10,000,000米ドル 1着賞金 6,000,000米ドル

馬番 ゲート番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手
1 1 キーンアイス 牡4 57 D.ロマンス(米) R.ムーア
2 2 ムシャウィッシュ 牡6 57 T.プレッチャー(米) L.デットーリ
3 3 ガンピット せん5 57 C.ファウンズ(香) J.モレイラ
4 4 ムブタヒージ 牡4 57 M.デコック(南ア) C.スミヨン
5 5 スペシャルファイター 牡5 57 M.アル・ムハイリ F.ハラ
6 6 キャンディボーイ 牡5 57 D.ワトソン P.ドッブス
7 7 ヴァダモス 牡5 57 A.ファーブル(仏) V.シュミノー
9 9 フロステッド 牡4 57 K.マクラフリン(米) W.ビュイック
10 10 ホッパーチュニティ 牡5 57 B.バファート(米) F.プラ
11 11 リフォルニアクローム 牡5 57 A.シャーマン (米) V.エスピノーザ
12 12 テレテキスト 牡5 57 S.アル・ハラビ(サウジ) S.デソウサ
ゲート番 馬名 性齢 騎手
1 キーンアイス 牡4 R.ムーア
2 ムシャウィッシュ 牡6 L.デットーリ
3 ガンピット せん5 J.モレイラ
4 ムブタヒージ 牡4 C.スミヨン
5 スペシャルファイター 牡5 F.ハラ
6 キャンディボーイ 牡5 P.ドッブス
7 ヴァダモス 牡5 V.シュミノー
9 フロステッド 牡4 W.ビュイック
10 ホッパーチュニティ 牡5 F.プラ
11 リフォルニアクローム 牡5 V.エスピノーザ
12 テレテキスト 牡5 S.デソウサ

※ 馬齢は主催者発表のものを記載しております。
※ エミレーツレーシングオーソリティの加齢基準日は南半球産馬が7月1日、北半球産馬が1月1日です。

ドバイシーマクラシック(G1)展望

ドゥラメンテ

ラストインパクト(左)
ワンアンドオンリー(右)

ポストポンド

 秋には凱旋門賞制覇という大きな目標があるドゥラメンテ(牡4)にとって、ここはまさに試金石となる一戦だ。と言うのも、ここに、ヨーロッパからポストポンド(牡5)というビッグネームが参戦してきたからである。

 早くから厩舎の期待馬と言われていた同馬の資質がようやく開花したのが4歳7月で、イギリス12ハロン路線の最高峰とされるアスコットのG1キングジョージVI世&クイーンエリザベスステークスに優勝。秋緒戦のG2フォワ賞も快勝した後、突然の転厩騒動で凱旋門賞を回避。そのままシーズンオフに突入した同馬の、今季初戦となったのがスーパ-サタデーのG2ドバイシティオブゴールドで、半年の休み明けを全く感じさせない競馬で、昨年暮れのG1香港ヴァーズ3着馬ダリヤン(牡4)に3馬身差を付ける完勝。メイダンの芝に対する高い適性も実証して、本番を迎えることになった。

 更にもう1頭、愛国のA.オブライエンの管理馬で、3歳時の昨年、北米のG1セクレタリアトS、香港のG1香港ヴァーズと、アウェイで2つのG1をモノにしたハイランドリール(牡4)という大駒も加わる。

 昨年春、3歳2冠を制しながら、心身ともに未完成と言われたドゥラメンテが、4歳春を迎えてドバイというアウェイの地で、果たしてどんな競馬を見せてくれるか。ここで完勝すれば、秋のフランスへの期待が更に膨らみ、逆に不甲斐ない競馬しか出来ないと、秋の希望まで潰えてしまう、非常に重要な一戦となりそうだ。

 3歳秋以降、勝ち星から遠ざかっているワンアンドオンリー(牡5)だが、昨年のこのレースでは3着と悪くない競馬をしており、経験値と馬場適性を鑑みれば、少なくとも昨年並みのパフォーマンスは出来るはずだ。 もう1頭のラストインパクト(牡6)も、 僅差の2着となった昨秋のジャパンCにおけるパフォーマンスを再現出来れば、争覇圏内に加わっておかしくなく、鞍上に迎える名手J.モレイラの腕を加味すれば、それもあながち不可能ではないと見ている。

(合田直弘=文)

ドバイシーマクラシック(G1)

3月26日(土) メイダン競馬場 2,410m(芝) 北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上
第8レース 20:20(日本時間 25:20)発走予定
賞金総額 6,000,000米ドル 1着賞金 3,600,000米ドル

馬番 ゲート番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手
2 2 シェイクザイードロード せん7 57 D.シムコック(英) M.ハーレー
3 3 ザブルーアイ 牡4 56.5 J.アル・ガザーリー(カタール) H.ベントレー
6 6 ゲーロショップ せん5 57 A.ワトリガン (仏) T.ジャルネ
7 7 ポストポンド 牡5 57 R.ヴェリアン(英) A.アッゼニ
8 8 ハイランドリール 牡4 56.5 A.オブライエン(愛) R.ムーア
9 9 ダリヤン 牡4 56.5 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) C.スミヨン
ゲート番 馬名 性齢 騎手
2 シェイクザイードロード せん7 M.ハーレー
3 ザブルーアイ 牡4 H.ベントレー
6 ゲーロショップ せん5 T.ジャルネ
7 ポストポンド 牡5 A.アッゼニ
8 ハイランドリール 牡4 R.ムーア
9 ダリヤン 牡4 C.スミヨン

※ 馬齢は主催者発表のものを記載しております。
※ エミレーツレーシングオーソリティの加齢基準日は南半球産馬が7月1日、北半球産馬が1月1日です。

ドバイターフ(G1)展望

リアルスティール

エルティジャール

 2014年の8月から10連勝中で、日本から遠征するリアルスティール(牡4)の前に立ちはだかる大きな壁となることが予測されていたソロウ(せん6)が、調教中に外傷を負い、本番9日前の17日になって回避を表明した。

 本命馬不在となり、突如として混戦模様になった中、前売り1番人気に浮上したのがトリスター(せん5)である。今年に入ってメイダンで、いずれも後方一気の競馬でG3ドバイミレニアムSとG1ジェベルハッタを連勝しており、コース適性も実証済みだ。

 だが、トリスター級の馬であれば、リアルスティールで充分に撃破が可能だろう。昨年3月以降、好走を重ねつつも勝ち切れない競馬が続いているが、そこは、今回手綱をとる名手R.ムーア の腕が補ってくれるはずである。

 トリスター以外では、同コース・同距離のG2アルラシディヤの勝ち馬フォーリーズワルツ(牡4)が、管理する南アフリカの魔術師M.デコックの手腕込みで、警戒が必要な1頭と言えそうだ。

(合田直弘=文)

ドバイターフ(G1)

3月26日(土) メイダン競馬場 1,800m(芝) 北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上
第7レース 19:45(日本時間 24:45)発走予定
賞金総額 6,000,000米ドル 1着賞金 3,600,000米ドル

馬番 ゲート番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手
1 1 フォリーズワルツ 牡4 57 M.デコック(南ア) C.スミヨン
2 2 トリスター せん5 57 C.アップルビー W.ビュイック
3 3 フォージャット せん8 57 D.セルヴァラトナム C.ヘイズ
4 4 ガームール せん6 57 A.アル・ライヒ T.オシェア
5 5 ファリアー せん8 57 S.シーマー R.マレン
6 6 フランボイヤント せん5 57 P.ギャラハー(米) B.ブラン
7 7 ザコルシカン 牡5 57 D.シムコック(英) J.スペンサー
8 8 インティラーク 牡4 57 R.ヴェリアン(英) P.ハナガン
9 9 ハリーズサン 牡4 57 P.ラファティ(南ア) A.デルペッチ
10 10 ユーロシャーリーン 牝5 55 M.ボッティ(英) L.デットーリ
11 11 ベリースペシャル 牝4 55 S.ビン・スルール J.ドイル
12 12 エルティジャール 牡4 57 M.デコック(南ア) D.オニール
13 13 バサティーン せん4 57 D.ワトソン P.ドッブス
15 15 ガブリエル せん7 57 R.フェイヒー(英) S.デソウサ
ゲート番 馬名 性齢 騎手
1 フォリーズワルツ 牡4 M.デコック(南ア)
2 トリスター せん5 C.アップルビー
3 フォージャット せん8 D.セルヴァラトナム
4 ガームール せん6 A.アル・ライヒ
5 ファリアー せん8 S.シーマー
6 フランボイヤント せん5 P.ギャラハー(米)
7 ザコルシカン 牡5 D.シムコック(英)
8 インティラーク 牡4 R.ヴェリアン(英)
9 ハリーズサン 牡4 P.ラファティ(南ア)
10 ユーロシャーリーン 牝5 M.ボッティ(英)
11 ベリースペシャル 牝4 S.ビン・スルール
12 エルティジャール 牡4 M.デコック(南ア)
13 バサティーン せん4 D.ワトソン
15 ガブリエル せん7 R.フェイヒー(英)

※ 馬齢は主催者発表のものを記載しております。
※ エミレーツレーシングオーソリティの加齢基準日は南半球産馬が7月1日、北半球産馬が1月1日です。

アルクオーツスプリント(G1)展望

ベルカント

ペニアフォビア

ノットリスニントゥーミー

 イギリスから、昨秋のG1アベイドロンシャン賞勝ち馬ゴールドリーム(せん7)や、グロリアスグッドウッドのG2キングジョージSを含むこの路線の重賞2勝馬ムスミール(せん6)。愛国から、このレース連覇を狙う大ベテランのソールパワー(せん9)。北米から、昨秋のG1BCターフスプリントの2着馬レディシップマン(牝4)。豪州から、この路線のG1・6勝馬バッファリング(せん8)。香港から、昨年のG1香港スプリント勝ち馬ペニアフォビア(せん5)と、同3着馬ノットリスニントゥーミー(せん5)。そして地元ドバイを代表して、前哨戦のG3メイダンスプリントで1・2着したフィットヤーン(せん8)とジャングルキャット(牡4)と、世界各地を代表する快速馬たちが集うことになった。

 オリンピックさながらの舞台が整った中、日の丸を背負って挑むベルカント(牝5)も、“新潟直千”のGIIIアイビスサマーダッシュを制している、この路線のスペシャリストだ。持っているスピード能力を存分に発揮できる、駆け引きなしの真っ向勝負は、もとより望むところである。メイダンの芝が合えば、このレースにおける日本馬初優勝の可能性もありそうだ。

(合田直弘=文)

アルクオーツスプリント(G1)

3月26日(土) メイダン競馬場 1,000m(芝) 3歳以上
第5レース 18:10(日本時間 23:10)発走予定
賞金総額 1,000,000米ドル 1着賞金 600,000米ドル

馬番 ゲート番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手
1 1 ナーディール せん5 57 M.ボッティ(英) C.スミヨン
2 2 ジャングルキャット 牡4 57 C.アップルビー W.ビュイック
4 4 ノットリスニントゥーミー せん5 57 J.ムーア(香) R.ムーア
5 5 ペニアフォビア せん5 57 A.クルーズ(香) J.モレイラ
6 6 エルティジャール せん5 57 A.アル・ライヒ P.ハナガン
7 7 ソールパワー せん9 57 E.ライナム(愛) C.ヘイズ
8 8 ゴールドリーム せん7 57 R.カウエル(英) M.ハーリー
9 9 バッファリング せん8 57 R.ヒースコート(豪) D.ブラウン
10 10 ムスミール せん6 57 W.ハガス(英) D.オニール
11 11 フィットヤーン せん8 57 M.アル・ムハイリ S.デソウサ
12 12 サーマキシミリアン せん7 57 I.ウィリアムズ(英) P.ドッブス
13 13 レディシップマン 牝4 55 K.マクラフリン(米) I.オルティスJr.
ゲート番 馬名 性齢 騎手
1 ナーディール せん5 M.ボッティ(英)
2 ジャングルキャット 牡4 C.アップルビー
4 ノットリスニントゥーミー せん5 J.ムーア(香)
5 ペニアフォビア せん5 A.クルーズ(香)
6 エルティジャール せん5 A.アル・ライヒ
7 ソールパワー せん9 E.ライナム(愛)
8 ゴールドリーム せん7 R.カウエル(英)
9 バッファリング せん8 R.ヒースコート(豪)
10 ムスミール せん6 W.ハガス(英)
11 フィットヤーン せん8 M.アル・ムハイリ
12 サーマキシミリアン せん7 I.ウィリアムズ(英)
13 レディシップマン 牝4 K.マクラフリン(米)

※ 馬齢は主催者発表のものを記載しております。
※ エミレーツレーシングオーソリティの加齢基準日は南半球産馬が7月1日、北半球産馬が1月1日です。

UAEダービー(G2)展望

フランクカンバセーション

ラニ

オンザロックス(左)
ユウチェンジ(右)

 極めて大きなスケールを持つと評判の牝馬ポーラーリバー(牝3)が、牡馬の精鋭を抑えて1番人気の座に就きそうな情勢だ。昨年12月のデビュー以来、メイダンで4戦し、ここまで負け知らず出来ているのだが、2着との差が緒戦のメイドンが13馬身1/2馬身、続くUAE千ギニートライアルが4馬身3/4馬身、3戦目の準重賞UAE千ギニーが13馬身差。そして前走G3UAEオークスでは残り1ハロンで3馬身以上抜けた後、鞍上の油断があって3/4馬身差まで詰め寄られたが、全く底を見せない競馬を続けている。当初はこの後、北米に遠征してG1ケンタッキーオークスに挑むプランもあったが、その後陣営が、北米は回避してここ1本に勝負をかけることを表明。新たなる女傑伝説が誕生するかどうかが注目されている。

 北米から遠征するG3エルカミノリアルダービー勝ち馬フランクカンバセーション(牡3)と、アルゼンチンのG1ホルヘアトゥーチャ大賞勝ち馬で、G3UAEオークス2着のヴェイルドリ(牝3)の2頭が2番手グループ。

 北米産のタピット産駒ということで、北米をはじめ海外のメディアも早くから注目していたのが、日本から参戦する1頭のラニ(牡3)である。ギリギリまで招待状が届かな かったことで、一時はブックメーカーの前売りからも姿を消したが、招待が確定すると再びオッズ11~13倍にインストールされている。敗れたとはいえ、ヒヤシンスSの3~4 コーナーで見せた一気の脚は印象的で、この顔触れを一網打尽にしてもおかしくはない潜在能力を持っていそうだ。

 芝のレースで得たレイティングをもとに選出を受けたユウチェンジ(牡3)とオンザロックス(牡3)の3頭は、メイダンのダートをこなせるかどうかが最大の鍵になる。

(合田直弘=文)

UAEダービー(G2)

3月26日(土) メイダン競馬場 1,900m(ダート) 3歳
第4レース 17:35(日本時間 22:35)発走予定
賞金総額 2,000,000米ドル 1着賞金 1,200,000米ドル

馬番 ゲート番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手
1 1 フランクカンバセーション 牡3 55 D.オニール(米) M.グティエレス
2 2 ポーラーリバー 牝3 53 D. ワトソン P.ドッブス
5 5 ヴェイルドリ 牝3 57.5 M.デコック(南ア) C.スミヨン
7 7 ラザム 牡3 55 M.ボッティ(英) L.デットーリ
ゲート番 馬名 性齢 騎手
1 フランクカンバセーション 牡3 D.オニール(米)
2 ポーラーリバー 牝3 D. ワトソン
5 ヴェイルドリ 牝3 M.デコック(南ア)
7 ラザム 牡3 M.ボッティ(英)

※ 馬齢は主催者発表のものを記載しております。
※ エミレーツレーシングオーソリティの加齢基準日は南半球産馬が7月1日、北半球産馬が1月1日です。

ドバイゴールドカップ(G2)展望

ネオブラックダイヤ

ヴァジラバド

 混戦模様の中、頭ひとつ抜けた存在が、フランス調教馬のヴァジラバド(せん4)だ。昨年7月にデビュー3戦目で初勝利を挙げると、一気の5連勝でG1ロワイヤルオーク賞を制覇。今季のヨーロッパ長距離路線を牽引する1頭と見られている馬である。

 これを追うのが、マナティー(牡5)とビッグオレンジ(せん5)の2頭だ。

 フランスの伯楽A.ファーブルが管理するマナティーは、昨年のG2シャンティー大賞勝ち馬。3月3日にシャンティーで行われたオールウェザー1900mの条件戦をひと叩きされ(2着)、チューンナップを完了しての参戦となっている。

 昨年7月にG2プリンセスオブウェールズSで重賞初制覇を果たすと、続くG2グッドウッドCも連勝してこの路線のトップグループに台頭したのが、イギリス調教馬のビッグオレンジだ。その後G1メルボルンCでも勝ち馬から2馬身1/2馬身差の5着と、悪くない競馬をしている。

 日本から参戦するネオブラックダイヤ(牡8)の評価は高くないが、長距離路線の水準は世界的に見て非常に高いのが日本である。ノーマークでの逃げが許されそうなだけに、一発を期待したいと思う。

(合田直弘=文)

ドバイゴールドカップ(G2)

3月26日(土) メイダン競馬場 3,200m(芝) 北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上
第3レース 16:55(日本時間 21:55)発走予定
賞金総額 1,000,000米ドル 1着賞金 600,000米ドル

馬番 ゲート番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手
1 1 ヴァジラバド せん4 54.5 A.ドゥロワイエデュプレ(仏) C.スミヨン
2 2 パラダイス 牝4 52.5 W. ヒクスト(独) M.デムーロ
3 3 スージュー せん7 57 R. フェイヒー(英) P.ハナガン
5 5 スターエンパイア せん9 57 M.デコック(南ア) W.スミス
6 6 サーテラック せん8 57 M.ハルフォード(愛) T.オシェア
7 7 ビッグオレンジ せん5 57 M.ベル(英) J.スペンサー
8 8 マナティー 牡5 57 A.ファーブル(仏) M.バルザローナ
9 9 メドウクリーク 牡5 57 D. ワトソン P.ドッブス
10 10 テリーナ せん6 57 M.デコック(南ア) R.ムーア
11 11 ハーファギニー せん6 57 S.ビン・スルール J.ドイル
ゲート番 馬名 性齢 騎手
1 ヴァジラバド せん4 C.スミヨン
2 パラダイス 牝4 M.デムーロ
3 スージュー せん7 P.ハナガン
5 スターエンパイア せん9 W.スミス
6 サーテラック せん8 T.オシェア
7 ビッグオレンジ せん5 J.スペンサー
8 マナティー 牡5 M.バルザローナ
9 メドウクリーク 牡5 P.ドッブス
10 テリーナ せん6 R.ムーア
11 ハーファギニー せん6 J.ドイル

※ 馬齢は主催者発表のものを記載しております。
※ エミレーツレーシングオーソリティの加齢基準日は南半球産馬が7月1日、北半球産馬が1月1日です。