2015年日本馬海外遠征の軌跡

  • 3/21

    ランヴェットステークス(G1)

    トーセンスターダム:2着

    3/21

    ジョージライダーステークス(G1)

    リアルインパクト:1着

    ワールドエース:11着

    3/28

    ザBMW(G1)

    トゥザワールド:2着

    3/28

    UAEダービー(G2)

    ゴールデンバローズ:3着

    タップザット:5着

    ディアドムス:8着

    3/28

    ドバイシーマクラシック(G1)

    ワンアンドオンリー:3着

    ハープスター:8着

    3/28

    ドバイワールドカップ(G1)

    ホッコータルマエ:5着

    エピファネイア:9着

  • 4/6

    ドンカスターマイル(G1)

    リアルインパクト:2着

    ワールドエース:8着

    4/11

    クイーンエリザベスステークス(G1)

    トーセンスターダム:5着

    トゥザワールド:12着

    4/26

    クイーンエリザベスII世カップ(G1)

    ステファノス:2着

    5/17

    シンガポールエアラインズインターナショナルカップ(G1)

    マイネルフロスト:4着

    6/7

    トゥクソムカップ(韓国G3)

    エスメラルディーナ:1着

    6/17

    プリンスオブウェールズステークス(G1)

    スピルバーグ:6着

    6/20

    ウォルファートンハンデキャップステークス(リステッド)

    スーパームーン:10着

  • 10/17

    コーフィールドカップ(G1)

    フェイムゲーム:6着

    ホッコーブレーヴ:10着

    11/3

    メルボルンカップ(G1)

    フェイムゲーム:13着

    ホッコーブレーヴ:17着

    12/13

    香港スプリント(G1)

    ミッキーアイル:7着

    ストレイトガール:9着

    サクラゴスペル:12着

    12/13

    香港マイル(G1)

    モーリス:1着

    ダノンプラチナ:7着

    フィエロ:9着

    12/13

    香港カップ(G1)

    エイシンヒカリ:1着

    ヌーヴォレコルト:2着

    ステファノス:10着

    サトノアラジン:11着



 2015年、日本馬にとって海外における最初の戦いの舞台は、オーストラリアのシドニーとなった。創設2年目を迎えた賞金総額2000万豪ドル(約17億5千万円)のビッグイベント「ザ・チャンピオンシップス」を最終目標に、4頭の日本馬が遠征を敢行したのである。

先陣を切ったのは、ローズヒルガーデンズのG1ランヴェットSに出走したトーセンスターダム(牡4)で、前走G1チッピングノートンSを勝っての出走だった1番人気のコントリビューターに次ぐ2着に健闘。

 そして、同日にローズヒルガーデンズで行われたG1ジョージライダーSに出走したリアルインパクト(牡7)が、前のシーズンのシドニー地区3歳2冠馬クライテリオンを2着に退けて優勝。100年以上の歴史を誇る伝統の一戦に、初めて日本馬の足跡を記した。リアルインパクトは次走、ザ・チャンピオンシップス第1週目のメイン競走として行われたロイヤルランドウィックのG1ドンカスターマイルでも2着に好走している。

 さらに、4頭の日本勢では大将格と目された2014年の有馬記念2着馬トゥザワールド(牡4)も、ローズヒルを舞台としたG1ザBMWで、2014年のG1メルボルンC勝ち馬プロテクショニストらに後塵を浴びせて2着に健闘。シドニーで、日本馬はしっかりと存在感を示すことになった。

 春のシャティンを舞台としたG1クイーンエリザベスII世Cに出走したステファノス(牡4)は2着に、結果として2015年が最後の開催となったG1シンガポールエアラインズインターナショナルカップに出走したマイネルフロスト(牡4)も4着に、それぞれ好走。両馬とも日本ではGIII勝ちまでの実績しかなかったが、このクラスでも充分に世界と戦えるところまで、日本馬の水準が底上げされていることを実証した。




 また6月には、ソウルで行われたトゥクソムCをエスメラルディーナ(牝4)が優勝。JRA所属馬として韓国における初勝利を挙げた。今年9月にはソウルを舞台とした2つの国際競走が創設されることになっており、今後は日本馬の韓国遠征も日常化しそうである。

 ロイヤルアスコットを舞台とした、欧州10ハロン路線の最高峰の1つと言われるG1プリンスオヴウェールズSに出走した、2014年の天皇賞・秋の勝ち馬スピルバーグ(牡6)は6着。メルボルンのスプリングカーニヴァルに遠征した2頭も、前哨戦・本番ともに着外に終わり、いささか意気消沈した日本のファンが、快哉を叫ぶことになったのが暮れの香港だった。

 春秋マイルGⅠ連覇を果たしての出走だったモーリス(牡4)が、香港競馬史上の最強マイラー・エイブルフレンドらを撃破してG1香港マイルに優勝。そしてG1香港カップでは、エイシンヒカリ(牡4)が不利と言われる外枠からの発走を克服して逃げ切り勝ち。2着にも2014年のオークス馬ヌーヴォレコルト(牝4)が入り、日本勢による1・2着独占の快挙が達成された。エイシンヒカリはこの時のパフォーマンスを評価され、2015年のワールドベストレースホースランキングで日本馬唯一となるトップ10入りを果たしている。

(合田直弘=文)