平松さとしドバイ現地リポート 第5回(最終回)

2016/03/23

現地時間3月26日、ドバイ、メイダン競馬場でドバイワールドカップデーが行なわれ、日本馬2頭が見事に優勝した。

 

先陣を切り第3レースのドバイゴールドCに出走したネオブラックダイヤは8着。3番手の好位を進んだが最後は失速し、鹿戸雄一調教師、秋山真一郎騎手は口を揃え「良い位置で競馬が出来たけど、最後は力の差でした」と完敗を認めた。


続く第4レースのUAEダービーには日本馬3頭が出走。森秀行厩舎の2頭、ユウチェンジとオンザロックスはそれぞれ3、5着に敗れたが、松永幹夫厩舎のラニは見事に優勝した。
スタートでつまずき後方からになったラニだが、向こう正面で外から進出。2番手で直線に向くと逃げたユウチェンジをなかなか抜けなかったが、ラスト50メートルを切って先頭。最後は2着のポーラーリバーに4分の3馬身差をつけて勝利。松永調教師は次のように語った。「スタートでつまずいた時はどきっとしたけどジョッキーが上手く乗ってくれました。4コーナーで手応えが怪しくなったけど、最後まで頑張って乗れるのはいつものこの馬の競馬。よく勝ってくれました」また、武豊騎手は次のように言った。「スタートでつまずいたけど、注意していたので大丈夫。この馬はデビューの時から能力は高いと分かっていたので、結果を残せて良かったです。ドバイで勝ったのは久しぶりなので本当に嬉しいです」

 

アルクオーツスプリントのベルカントは12着に敗れたが、続くドバイターフで再び歓喜の時が訪れた。ここに出走したリアルスティールが2着に半馬身差をつけて優勝してみせたのだ。「ついに海外で勝つことが出来て非常に嬉しいです。馬の状態は良かったけど、なかなか内に入れられずハラハラしました。結果的に完勝だったけど、最後までなかなか安心できずに観ていました。今はただ本当に嬉しいです」
矢作芳人調教師は笑顔でそう語った。

 

続くドバイシーマクラシックには3頭が出走。ラストインパクトが3着、ワンアンドオンリーは5着に敗れ、期待の大きかったドゥラメンテも残念ながら2着に惜敗した。ドゥラメンテはレース前に落鉄。結局、蹄鉄を履かせないままでの出走となり、勝ったポストポンドに2馬身の差をつけられてしまった。手綱をとったM.デムーロ騎手は「ドゥラメンテは本当に強い馬。でも、落鉄した影響は大きかった。蹄鉄を履いていないから最後は疲れてしまったよ」と残念そうに語った。



また、メインのドバイワールドCに挑戦したホッコータルマエは好スタートを決めたものの内外から一気に来られて後方へ。砂を浴びる展開となり、9着に敗れた。
10頭が挑戦した今年のドバイワールドCデー。期待の大きかったドゥラメンテが敗れるなど、残念なシーンもあったものの、2頭が勝利を収めたのだから素晴らしい結果と言ってよいだろう。