2016/4/25
週前半から不安定だった香港の天候が、レース当日に更に悪化。朝から断続的にスコールに見舞われ、馬場状態はYieldingとなった。
GI宝塚記念、GI天皇賞(秋)というこの路線のGIを2勝している実績に加え、鞍上が地元の名手J.モレイラで、なおかつ1番という好枠を引いたこともあって、日本から参戦のラブリーデイ(牡6)が2.9倍の1番人気に。今年の(香港G1)香港ダービー馬ウェルテル(せん4)が5.5倍の2番人気。残る2頭の日本調教馬は、サトノクラウン(牡4)が8倍の5番人気。ヌーヴォレコルト(牝5)が12倍の6番人気となった。
典型的な逃げ馬が不在で、最初のコーナーに入るあたりでは騎手たちが手綱を絞りつつ、互いの顔を見合わせる局面があった後、一旦はサトノクラウンがハナに立ったが、向こう正面に入る頃には最低人気のヘレンスーパースター(せん6)が逃げ、サトノクラウンは2~3番手に。その後にラブリーデイ、ウェルテルは10番手、その後の11番手にヌーヴォレコルトという隊列に。
直線に向くとラブリーデイが、荒れた内を避けて馬場真ん中に持ち出しつつ先頭へ。その刹那、ガラっと空いた内に飛び込んだのが、3~4コーナー中間から仕掛けて番手を上げていたウェルテルで、そこから桁違いの脚を見せた同馬が、最後は後続に4馬身1/2差をつける圧勝。13年のこのレースを含めてG1・4勝の実績を誇るミリタリーアタック(せん8)が、道中12番手から追い込み2着。昨年に続くこのレース連覇を狙ったブレイジングスピード(せん7)が、中団から追い込み3着。
押し切ることが出来なかったラブリーデイが4着。直線で追い込んだもののヌーヴォレコルトは6着まで。サトノクラウンは12着に敗れている。ウェルテルは祖国ニュージーランドで走っていた時代に、不良馬場のG2チャンピオンシップSを制している道悪巧者だ。日本馬の敗退も含めて、馬場が結果を大きく作用したと言えそうである。
(合田直弘=文)
4月24日(日) シャティン競馬場 2,000m(芝) 3歳以上
第8レース 16:35(日本時間17:35)発走
賞金総額 20,000,000香港ドル 1着賞金 11,400,000香港ドル
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 重量 | 調教師 | 騎手 | タイム・着差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | ウェルテル | せん4 | 126 | J.ムーア | H.ボウマン | 2:01:32 |
2 | 5 | ミリタリーアタック | せん8 | 126 | C.ファウンズ | N.ローウィラー | 4 1/2 |
3 | 1 | ブレイジングスピード | せん7 | 126 | A.クルーズ | N.カラン | 5 3/4 |
4 | 3 | ラブリーデイ | 牡6 | 126 | 池江 泰寿 | J.モレイラ | 6 |
5 | 4 | デザインズオンローム | せん6 | 126 | J.ムーア | T.ベリー | 6 1/4 |
6 | 12 | ヌーヴォレコルト | 牝5 | 122 | 斎藤 誠 | 武 豊 | 7 1/2 |
7 | 6 | ヘレンハッピースター | せん5 | 126 | J.ムーア | B.シン | 8 1/2 |
8 | 2 | ハイランドリール | 牡4 | 126 | A.オブライエン(愛) | R.ムーア | 10 1/2 |
9 | 9 | エルティジャール | 牡4 | 126 | M.デコック(南ア) | D.ホワイト | 11 3/4 |
10 | 13 | ライジングロマンス | 牝5 | 122 | D.ヘイズ(豪) | D.レーン | 16 1/2 |
11 | 11 | ホースオブフォーチュン | せん5 | 126 | A.ミラード | K.ティータン | 19 |
12 | 7 | サトノクラウン | 牡4 | 126 | 堀 宣行 | Z.パートン | 19 1/4 |
13 | 8 | ヘレンスーパースター | せん6 | 126 | A.クルーズ | B.プレブル | 22 1/4 |
着順 | 馬名 | 騎手 | タイム・着差 |
---|---|---|---|
1 | ウェルテル | H.ボウマン | 2:01:32 |
2 | ミリタリーアタック | N.ローウィラー | 4 1/2 |
3 | ブレイジングスピード | N.カラン | 5 3/4 |
4 | ラブリーデイ | J.モレイラ | 6 |
5 | デザインズオンローム | T.ベリー | 6 1/4 |
6 | ヌーヴォレコルト | 武 豊 | 7 1/2 |
7 | ヘレンハッピースター | B.シン | 8 1/2 |
8 | ハイランドリール | R.ムーア | 10 1/2 |
9 | エルティジャール | D.ホワイト | 11 3/4 |
10 | ライジングロマンス | D.レーン | 16 1/2 |
11 | ホースオブフォーチュン | K.ティータン | 19 |
12 | サトノクラウン | Z.パートン | 19 1/4 |
13 | ヘレンスーパースター | B.プレブル | 22 1/4 |
※馬齢は主催者発表のものを記載しております。
※着差は1着馬からのものです。
※126lbs=約57kg 122lbs=約55.5kg
【池江 泰寿調教師のコメント】
「最後の直線で押し切ったと思いましたが、最初の1コーナーで馬を出していった分エキサイトしてしまって、最後に影響したのではないでしょうか。良い頃の状態に近づいていましたが今日は馬場が悪かったです。もう少し真ん中の枠だったらうまくいっていたのかもしれません。」
【J.モレイラ騎手(ラブリーデイ号騎乗)のコメント】
「馬は良く走ってました。道中力んでしまって最後はいっぱいいっぱいになりました。今日は勝った馬が強かったです。強い馬に乗せていただいたことに感謝します。」
【斎藤 誠調教師のコメント】
「皆同じ条件ですが、牡馬とのパワーの差がでてしまいました。もう少し軽い馬場でやりたかったです。馬は一生懸命走ってくれて頭の下がる思いです。」
【武 豊騎手(ヌーヴォレコルト号騎乗)のコメント】
「馬場が悪かったです。伸びているんですが、牝馬だけにパワーが足りなかったです。」
【高橋 智大調教助手のコメント】
「馬の状態は非常に良かったと思います。そのせいか、途中で先頭に立ったりして向正面までは少しチグハグな競馬になり、馬も少し力んで走っていたのでスムーズな競馬ではなかったと思います。シャティンの重馬場も合わなかったのかもしれません。」
【Z.パートン騎手(サトノクラウン号騎乗)のコメント】
「この馬場だったので残念な結果になってしまいました。スタートが良く、良いポジションがとれましたが最後は反応が悪くなってしまいました。」
※ 詳細については、QEIIカップ特設サイト (※外部サイトに接続されます)のホームページもご参照ください。