名馬列伝
1986年凱旋門賞 優勝ダンシングブレーヴ

1986年凱旋門賞 優勝ダンシングブレーヴ

ダンシングブレーヴ Dancing Brave


1983年5月11日生 アメリカ合衆国産 牡 鹿毛
父:リファール(Lyphard)
母:ナヴァホプリンセス(Navajo Princess)
母の父:ドローン(Drone)
通算成績10戦8勝


凱旋門賞(G1)
1986.10. 5 ロンシャン競馬場 芝2400m 15頭

着順 馬名 性齢 斤量 騎手 タイム(着差)
1 ダンシングブレーヴ(Dancing Brave) 牡3 56 P.J.エデリー R2.27.7
2 ベリング(Bering) 牡3 56 G.ムーア 1 1/2
3 トリプティク(Triptych) 牝4 57.5 A.コルデロJr. 1/2
4 シャラスターニ(Shahrastani) 牡3 56 W.スウィンバーン 短頭
5 シャダリ(Shardari) 牡4 59 G.スターキー
ダンシングブレーヴ

 欧州には今、フランケル(牡4、父ガリレオ)という怪物が出現し話題となっている。8月31日の段階でデビュー以来13戦し、いずれも後続に影をも踏ませぬ競馬で13連勝。今年6月にG1クイーンアンSを制した際と、8月にG1インターナショナルSを制した際に、歴代2位にあたる公式レーティング140をマーク。次走は引退戦となるG1英チャンピオンS(10月20日、アスコット)と言われているが、そこで更に上を行く数値を獲得し、史上最強の称号を手に出来るかどうかが大きな注目を集めている。

 目下のところ歴代でただ1頭、フランケルを凌ぐ141というレーティングを獲得したのが、1986年の凱旋門賞を制した際のダンシングブレーヴだ。
 シーバードが制した1965年と並んで、凱旋門賞史上最高のメンバーが揃ったと言われたのが1986年だった。


 オッズ2.1倍の1番人気がダンシグブレーヴ。ここまで8戦し、二千ギニー、エクリプスS、キングジョージと3つのG1を含めて7勝。唯一の敗戦となったのが英ダービーだったが、超スローを後方から追走し、あのタフなエプソムで上がり1F=10秒3という驚異の末脚を繰り出し、勝ち馬シャラスターニに半馬身差まで迫った、敗れてなお強しの一戦だった。

ダンシングブレーヴ

 以下、仏ダービー圧勝のベリング、英ダービー後に愛ダービーも制したシャラスターニ、独ダービー馬アカテナンゴ、生涯で9つのG1を制した「鉄の女」トリプテティク、ヴェルメイユ賞勝ち馬ダララ、インターナショナルS勝ち馬シャダリ、そして日本ダービー馬シリウスシンボリなど、チャンピオン級の大物がずらりと顔を揃えていたのだ。
 このメンバーを相手に、ダンシングブレーヴはまたしても、伝家の宝刀とも言うべき切れ味抜群の末脚を発揮し、大外一気という胸の空く競馬で快勝したのである。勝ち時計の2分27秒7は、当時のロンシャンのトラックレコードだった。
 1986年の凱旋門賞は、四半世紀以上が経過した今も、歴代最高のパフォーマンスが展開された珠玉の一戦として語り継がれている。

(合田直弘)