未来に語り継ぎたい名馬
史上初の“変則二冠”馬
キングカメハメハ
2004年 NHKマイルカップ
2001年3月20日生 牡 鹿毛
父 Kingmambo
母 マンファス(父 ラストタイクーン)
馬主/金子真人氏
調教師/松田国英(栗東)
生産牧場/ノーザンファーム(北海道・早来町)
通算成績/8戦7勝
主な勝ち鞍/04日本ダービー(GI) 04NHKマイルC(GI)
04神戸新聞杯(GII) 04毎日杯(GIII)
●まだまだ底を見せずに引退したキングカメハメハは、三冠馬達を凌駕するぐらいの強さでした(50代・女性)
●キンカメ、アンカツ、最高のパートナー(40代・男性)
●NHKマイルC、日本ダービーでの末脚は忘れられません(40代・男性)
GI 2勝とも、異なる強さを 見せつけるレースぶり
NHKマイルCと日本ダービーを制して史上初の“変則二冠”を達成。その記録的事実はもちろん、あまりに対照的な2つの勝ちっぷりも観る者を驚かせた。
NHKマイルCでは、好ダッシュから控えて中団で流れに乗り、直線、馬群の外をスパート。坂を駆け上がる際の勢いは凄まじく、瞬く間に後続を引きちぎって1着。レースの上手さと決め手の鋭さで果たした5馬身差の圧勝劇だった。
いっぽう日本ダービーは、マイネルマクロスが1000メートル通過57秒6という猛烈なラップで逃げて、まったく息の入らない流れ。キングカメハメハも早めに追撃を開始し、4コーナーでは大きく外に振られながらも好位まで進出、残り400メートルの地点では先頭に立つ。そのまま押し切って、従来のタイムを2秒も縮める2分23秒3のレコードを計時。こちらは、どんなペースにもひるまない勝負根性と持久力でつかんだ栄冠だった。
(文=谷川善久)