未来に語り継ぎたい名馬
ディープを下した唯一の日本馬
ハーツクライ
2005年 有馬記念
2001年4月15日生 牡 鹿毛
父 サンデーサイレンス
母 アイリッシュダンス(父 トニービン)
馬主/(有)社台レースホース
調教師/橋口弘次郎(栗東)
生産牧場/社台ファーム(北海道・千歳市)
通算成績/19戦5勝(うち海外2戦1勝)
主な勝ち鞍/06ドバイシーマクラシック(G1)
05有馬記念(GI) 04京都新聞杯(GII)
●世界の頂点に最も近付いた名馬だと信じています。ドバイでの圧勝劇、キングジョージでの競り合いは強烈でした(20代・女性)
●今、子供達が活躍していてとても嬉しいです(10代・男性)
●日本調教馬でディープインパクトに唯一先着(30代・女性)
意表を突く先行策から 大金星をマーク
34位キングカメハメハの勝った日本ダービーで猛然と2着まで追い込んだのがハーツクライだ。その後も、菊花賞が7着、ジャパンCが10着、有馬記念は9着、天皇賞・春が5着、宝塚記念は2着、天皇賞・秋は6着と「追い込んで届かず」のレースを繰り返すことになる。
通算9度目のGI 挑戦となった2005年のジャパンCもハナ差の2着。ただし、2分22秒1のレコードで駆けたアルカセットと同タイム、ハナ差の大接戦。上がり3F推定タイムはメンバー中最速をマークし、潜在能力の高さをあらためて示した。この時の自信が、次走・有馬記念での英雄撃破、ディープインパクトを完封しての1着に結びつく。
意表を突く先行策であげたこの大金星がランクインの由縁だろうが、続くドバイシーマクラシックを悠々と逃げ切って“一発屋”で終わらせなかった点も称えられるべきだろう。
(文=谷川善久)