未来に語り継ぎたい名馬

●逃げて良し、差して良し。鞍上の名騎乗とともに語られるドラマチックな馬(30代・男性)
●天皇賞・春での当時の世界レコードでの差し切りは嬉しくて涙が出ました(30代・男性)
●乗り替わり多い昨今、人馬一体を体現してくれたコンビ(40代・男性)

変幻自在のレースぶりで GI ４勝をマーク

　ダート短距離でデビューしながら、勝ち取ったGI タイトルはすべて芝２２００メートル以上でのもの。そうした歩みだけでなく、実戦で見せた走りもまた変幻自在、レースのたびに驚きを与えた馬だった。
　 菊花賞は４コーナー先頭の堂々とした走りでレースレコードでの勝利。続く有馬記念では生涯唯一の逃げ切りでGI ２連勝を飾り、ＪＲＡ賞年度代表馬の座も手に入れる。翌年の宝塚記念ではふたたび横綱相撲、直線入口先頭の正攻法で押し切ると、１９９７年の天皇賞・春ではこれまでの姿から一変、直線一気の追込みでGI ４勝目をマークした。
　 96年の阪神大賞典はナリタブライアンとの追い比べ。３着を９馬身後方へと置き去りにした世紀のマッチレースとして名高い。同年の天皇賞・秋ではバブルガムフェローやサクラローレルらと大熱戦。勝負をヒートアップさせる存在でもあったといえるだろう。
（文＝谷川善久）

映像	日付	開催	R	レース名	距離	芝・ダート	馬場状態	頭数	馬番	人気	着順	タイム	騎手	上り3F	1(2)着馬
	1995. 1. 8	京都	3	新馬	1200	ダート	良	16	13	1	5	1.14.9	武豊	38.9	ワンダーパヒューム
	1995. 2.19	京都	3	未勝利	1200	ダート	良	14	2	4	3	1.14.2	田原成貴	37.6	スタースワロー
	1995. 3.11	京都	2	未勝利	1200	ダート	稍	8	1	1	3	1.14.2	武豊	36.6	ポリシュアドミラル
	1995. 3.25	京都	2	未勝利	1200	ダート	良	14	2	2	1	1.13.0	武豊	37.2	(ランドゼノビア)
	1995. 4.15	京都	6	500万下	1200	ダート	重	14	6	3	3	1.12.6	武豊	37.1	フサイチビクトリー
	1995. 5. 7	京都	7	500万下	1200	ダート	良	11	4	4	3	1.12.1	田原成貴	36.1	ワカサアイネス
	1995. 5.28	中京	6	500万下	1700	ダート	良	11	8	4	1	1.46.8	田原成貴	38.2	(キタサンシルバー)
	1995. 6.18	中京	9	ロイヤル・ホンコン・ＪＣＴ	2000	芝	良	13	13	5	3	2.01.3	田原成貴	36.6	フェアダンス
	1995. 7. 9	中京	10	やまゆりＳ	1800	芝	良	16	2	2	1	1.49.8	田原成貴	36.0	(スリリングアワー)
	1995. 9.17	京都	11	神戸新聞杯	2000	芝	良	14	14	5	2	1.59.8	田原成貴	36.2	タニノクリエイト
	1995.10.15	京都	11	京都新聞杯	2200	芝	良	15	11	2	2	2.11.5	田原成貴	34.5	ナリタキングオー
	1995.11. 5	京都	10	菊花賞	3000	芝	良	18	10	3	1	3.04.4	田原成貴	35.9	(トウカイパレス)
	1995.12.24	中山	9	有馬記念	2500	芝	良	12	10	6	1	2.33.6	田原成貴	35.3	(タイキブリザード)
	1996. 3. 9	阪神	11	阪神大賞典	3000	芝	良	10	10	1	2	3.04.9	田原成貴	34.5	ナリタブライアン
	1996. 4.21	京都	10	天皇賞（春）	3200	芝	良	16	7	2	5	3.18.8	田原成貴	36.1	サクラローレル
	1996. 7. 7	阪神	10	宝塚記念	2200	芝	良	13	9	1	1	2.12.0	田原成貴	34.6	(サンデーブランチ)
	1996. 9.15	中山	11	オールカマー	2200	芝	重	9	6	1	4	2.17.6	田原成貴	37.6	サクラローレル
	1996.10.27	東京	10	天皇賞（秋）	2000	芝	良	17	8	4	2	1.58.8	田原成貴	34.4	バブルガムフェロー
	1996.12.22	中山	9	有馬記念	2500	芝	良	14	3	2	7	2.35.3	田原成貴	38.3	サクラローレル
	1997. 3.16	阪神	11	阪神大賞典	3000	芝	稍	9	9	1	1	3.07.2	田原成貴	37.1	(ビッグシンボル)
	1997. 4.27	京都	10	天皇賞（春）	3200	芝	良	16	4	2	1	3.14.4	田原成貴	34.2	(サクラローレル)