未来に語り継ぎたい名馬
府中で輝いた漆黒の名優
エイシンフラッシュ
2012年 天皇賞(秋)
2007年3月27日生 牡 黒鹿毛
父 キングズベスト
母 ムーンレディ(父 Platini)
馬主/平井克彦氏
調教師/藤原英昭(栗東)
生産牧場/社台ファーム(北海道・千歳市)
通算成績/27戦6勝(うち海外2戦0勝)
主な勝ち鞍/12天皇賞・秋(GI)
10日本ダービー(GI)
13毎日王冠(GII)
10京成杯(GⅢ)
●黒光りする馬体に名を表すような瞬発力。生涯忘れられない(20代・男性)
●天皇賞・秋、最終コーナーを回ってから内ラチをドーンと突き抜けた末脚が忘れられない(30代・男性)
●M.デムーロ騎手の最敬礼は今でも脳裏に焼き付いています(20代・男性)
ファンの記憶に鮮明な 天覧競馬での名シーン
2010年、その名の如き閃光の末脚で鋭く差し切って日本ダービーを勝利。直後に本誌『優駿』で実施された『未来に語り継ぎたい不滅の名馬たち』アンケートでは100位以内に入れなかったが、今回は晴れてランクインを果たした。大幅なジャンプアップに影響を与えたのは、もちろんあの出来事だろう。
日本ダービー以降、天皇賞・春2着、宝塚記念3着、有馬記念2着などと惜敗を繰り返した果てに、突如として道は開く。12年、天皇賞・秋の直線入口、後方のインを進んでいたエイシンフラッシュの目の前にポッカリと生まれた内ラチ沿いは、まさに勝利への道。そこを貫いての復活Vである。
折しも天皇皇后両陛下をお迎えしての天覧競馬。スタンド前、エイシンフラッシュから降りたミルコ・デムーロ騎手は片ひざをつき、深々と頭を垂れる。その姿は、いまもファンの記憶に鮮明だ。
(文=谷川善久)