未来に語り継ぎたい名馬
太平洋を渡った樫のヒロイン
シーザリオ
2005年 オークス
2002年3月31日生 牝 青毛
父 スペシャルウィーク
母 キロフプリミエール(父 Sadler's Wells)
馬主/(有)キャロットファーム
調教師/角居勝彦(栗東)
生産牧場/ノーザンファーム(北海道・早来町)
通算成績/6戦5勝(うち海外1戦1勝)
主な勝ち鞍/05アメリカンオークス(米GI)
05オークス(GI)
05フラワーC(GIII)
●2005年のオークスでの見事な差し切り、黒い馬体が弾んでシーザリオ! の実況は今でも鮮明に覚えています(10代・男性)
●競走馬時代はもちろん、母としても活躍(30代・女性)
●アメリカンオークスの4馬身差圧勝は胸がスカッとした(30代・男性)
日本競馬界初となる アメリカGI 制覇の大偉業
新馬、寒竹賞、フラワーCとデビュー3連勝を飾り、1番人気で桜花賞に臨んだシーザリオ。ここはラインクラフトにアタマ差及ばず2着に甘んじたものの、続く2戦で本領を発揮する。
まずは第66回優駿牝馬。1000メートル通過63秒1のスローな流れの中、シーザリオは後ろから3~4頭目という苦しい位置取り。それでも直線では豪快なスパートを決め、執拗に内から馬体を併せてくるディアデラノビアを押さえ込み、その内で伸びたエアメサイアもクビ差交わしてのGI初制覇を飾る。
さらに海を渡ってアメリカンオークスにも挑戦。ここでは一転、大外枠からダッシュよく飛び出して好位につけると、3コーナー先頭の積極策から押し切って4馬身差の圧勝。日米オークス制覇という快挙だけでなく、長らく日本の競馬界にとっての悲願だったアメリカGI 制覇の大偉業も成し遂げたのである。
(文=谷川善久)