未来に語り継ぎたい名馬
稀代の個性派逃げ馬
ツインターボ
1993年 七夕賞
1988年4月13日生 牡 鹿毛
父 ライラリッジ
母 レーシングジイーン(父 サンシー)
馬主/黒岩晴男氏→武田二男氏
調教師/笹倉武久(美浦)→秋葉清一(上山)
生産牧場/福岡敏宏氏(北海道・静内町)
通算成績/35戦6勝(うち地方13戦1勝)
主な勝ち鞍/93オールカマー(GIII)
93七夕賞(GIII)
91ラジオたんぱ賞(GIII)
●ターフを彩る逃走のエンターテイナー!観客を沸かせる姿に競走の魅力を感じた(10代・男性)
●大逃げのロマン。リアルタイムで見ていないことが悔やまれます(20代・男性)
●勝ちっぷりの清々しさと、負ける時の潔さが愛する理由(50代・男性)
一大スペクタクルともいうべき 見るものを楽しませる逃走劇
GI 勝ち鞍はおろか2着もない。生涯成績は35戦6勝。2ケタ着順は10回を数え、競走生活の晩年は地方・上山でシンガリ負けを繰り返した。それでも幾多のクラシックホースやGI ウイナーに混じってランクインを果たした。
七夕賞では向正面に入ってもスピードを緩めず、1000㍍通過57秒4のハイペースを自ら創出。最後はツインターボより追いかける馬のほうが脚色は一杯、という結末だった。続くオールカマーは、1コーナーを迎えた時点で早くも後続に6馬身、向正面では3秒近くも引き離す超大逃げ。結局2着に5馬身差をつけて粘り込んでみせた。
この5歳時の重賞2連勝のほか、ビッグレースではたびたび一大スペクタクルともいうべき逃走劇を披露した。勝ち星の数でも賞金獲得額でもなく、純粋に走りの楽しさで支持を集めた、「名馬」の定義に一石を投じる存在である。
(文=谷川善久)