ホースマンにとって日本ダービー制覇は至上の夢。大目標だからこそ、ホースマンそれぞれから、数々の名言が生まれてきた。
彼らの日本ダービーに懸ける熱い思いを感じてほしい。
(広見直樹=評 review by Naoki Hiromi)
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1998年優勝
スペシャルウィーク
武豊 騎手
競馬界の七不思議といわれていた武豊騎手のダービー。デビュー当初から大レースを勝ちまくったがダービーだけは、ここまで9度挑戦して未勝利。永遠に勝てないのでは、なんて話も。それがスペシャルウィークで。無邪気に喜ぶ天才。微笑ましいです。
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2000年優勝
アグネスフライト
河内洋 騎手
デビュー27年目、この間、ダービーへの騎乗は17度。誰もが名手として認めていたが、どうしても手に入れることができなかった勲章。ようやくアグネスフライトで。ゴール前、観客の応援は馬よりもジョッキーへ。ゴールまで100m、名手の鬼気迫る形相とこの名言。恰好良かったです。
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2004年優勝
キングカメハメハ
金子真人 オーナー
ディープインパクトを筆頭に、日本を代表するオーナーとして知られる金子真人氏。そんな氏に初のダービー馬主の栄誉をもたらしてくれたキングカメハメハ。そのレース前の心境。驕ることなくひたすら謙虚に。どの道もこれが成功の秘訣なのだ。
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2006年優勝
メイショウサムソン
松本好雄 オーナー
メイショウの冠名でお馴染みの松本好雄オーナー。35歳で馬を所有。33年後、メイショウサムソンで悲願のダービーの栄冠を手に。高額な馬は少なく、日高地方の生産馬を中心に所有することでも有名。苦節30有余年、万感の思いだったでしょう。拍手喝采。
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2011年優勝
オルフェーヴル
池江泰寿 調教師
調教師としてデビュー(04年)して2年後には、JRA賞(最高勝率調教師)を受賞。さらに2年後、リーディングトレーナーの座に就いた池江調教師。海外遠征にも積極的で、オルフェーヴルとの凱旋門賞挑戦は記憶に新しい。そんな池江氏にしてこの言葉。ダービーの “ 重さ”を感じます。
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2016年優勝
マカヒキ
川田将雅 騎手
昨年のダービー。鮮明に思い出すことができるゴール前のサトノダイヤモンドとの死闘。そして勝者の涙。お言葉の「こんな気分になるんだと思った」の“気分”を知りたいのですが、「表現できない」と。天にも昇る気分ということにしておきましょうか。
- 『優駿』6月号ではホースマン24人のダービーにまつわる名言を掲載しています。